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Who's Who > イーテック有限会社 海老原達雄さん

更新日:2008/03/07
安心で安全なおもちゃ造り 海老原達雄さん

 JRさくら夙川駅の少し北に、小さなアンテナショップがある。お店の名前は、e-collection (イーコレクション) かわいい木のおもちゃが並んでいる。
 シンプルでナチュラルな良質の木のおもちゃを作って、販売したいというオーナーの夢のお店。そんな木のおもちゃを設計・制作しておられる現場にお邪魔してお話しを伺った。

小さな壊し屋さんは、組み立て屋さんに変身

安心で安全なおもちゃ造り 海老原達雄さん

物づくりのお話しに笑顔の海老原さん

 「小さい頃は壊し屋でしたよ…。蓄音器やラジオを壊したり、ドアの取っ手をはずしたり、壁に穴も開けましたね(笑)」壁に穴を開けたのは、壁の中がどうなっているのかが知りたかったからだそうな。
 「そりゃ〜、いろんな大工道具を少しずつ持ち出して壊しましたよ。さすがに親には怒られましたね。」それでも、その時の大家さんが大工さんだったそうで「大きくなったら、うちにおいで…」と言われたんだとか。そんな小さな壊し屋さんが、今は小さな子どもたちのための木のおもちゃを作っている。

 「分解は、やがて組み立てに変わるんですよ。分解するのも、順序があります。順序どおりにしないと分解できませんから。そして今度は、それを組み立てるんです。パズルの面白さですよ。」
 中学生の頃は、ラジコンの飛行機を分解したり、組み立てたり。飛ばすことより、もっと回るように…と工夫することの方が楽しかったようだ。

“学ぶ”ではなく“まねぶ”・・・そこから工夫する楽しさを知る

 大学時代はレーシングカーを作っているところでアルバイトをしていたという。

うなりを上げる機械で材料を削る

うなりを上げる機械で材料を削る


穴を開ける

穴を開ける

物づくりが大好きな海老原さんの就職先はスピーカーを中心に家具なども作っていた会社。ここで、たくさんの職人さんからたくさんのことを学んだという。
 「職人の世界は、“学ぶ”ではなく“まねぶ”なんですね〜。教えてはくれません。自分でまねて工夫して工夫して、それでアドバイスを請うとやっと教えてくれるんです。」木工機の使い方も、ノミの研ぎ方も、みんなこの時に学んだ。

 元々、設計畑の方だが「設計しても、なかなか自分が思うようには出来てこないんです。なら、自分が作っちゃおう…」と制作に入っていった。子どものための木のおもちゃが作りたかったが、ネームバリューがないとなかなか販売が難しい。それで、まずはオーダーの家具を作るための会社を設立したのが1990年。最初は照明の設計開発が中心だったらしい。
 そして、オーダーの家具や遊具、障害のある子どもたちのための機能回復用木製品などを手がけながら、2004年に西宮市寿町に念願の木のおもちゃを中心にしたショップを開店させた。

積み木遊びは、一人遊びの世界から一緒に遊ぶ世界へと続く

 海老原さんが木のおもちゃにこだわる理由はもう一つある。実は1歳半の頃ベルギーに住んでいて、子ども心に言葉の分からない不安を抱えて現地の幼稚園に通った。

木を裁断する

木を裁断する

 そんな時、幼稚園にあった積み木が海老原さんの最初の居場所であり、その積み木を通して少しずつお友達が出来、そのお友達と積み木を通して単語のやり取りが始まったらしい。
 その時の経験で、子どもの時のコミュニケーションの大切さと社会性の育成におもちゃが大きく関わることを実感として味わった。

 現在は、0歳〜5歳くらいの子どもの木のおもちゃが中心。「子どもは、何でも口に入れてお毒見をして確かめるんです。だから、色は最低限しか使いませんし、使っているものはすべて唾液テストなど食品衛生法の基準に合格したものです。」
 柔らかい話し方で説明される海老原さん。「あぁ、子どもが好きなんだろうな…」と分かる。積み木やすべてのおもちゃは、口に入れて大丈夫なように、色にも形にも大きさにも細かく気を配られている。
ここで生まれたポッツ人形。

ここで生まれたポッツ人形。



 お店のイメージキャラクターは「ぽっつ」という小さな木の指人形。一つ一つ手づくりの色違いの毛糸の帽子をかぶっている。「表情はあえてつけていません。その方がその人のその時の感情で、ぽっつの表情が変わるんです。そういう体験をして感性が育っていくと思うんです。」
 「ぽっつ」の命名者は、海老原さんの大切な息子さん。なんだか、温かいご家族が見えた気がした。

おもちゃが出来上がるまでの過程に関わるたくさんの人達

 お話しをお聞きしている間、仕事場では一心に積み木に磨きをかけていた。「つるつる積み木…って言うんです。」
ヤスリをかける。

ヤスリをかける。
(高速なので結構怖かった…)

 一つ手渡してもらった。ヨーロッパのぶなの木の程よい重さと、なんともいえないツルツル感でしばし手の中で遊ばせてしまった。この磨きをかける作業が重要な工程。
 「ハンディのある方たちにもお手伝いしていただいてます。赤ちゃんが使うんだよ!!と言うと本当に丁寧に磨いてくださるんです。」

 インテックス大阪の住宅リフォームフェアでキッズコーナーにも参加されたらしい。「例えば、木のブロックのようなシティというおもちゃがあるんですが、子供たちが遊ぶのを見ていたら、本当に私たちが考え付かないような使い方や組み立てをするんですね。そんな様子を見て、また私たちはさらに良いものを作っていくんです(*^_^*)」

今、海老原さんが挑戦している木の卵。

今、海老原さんが挑戦している木の卵。 ここで生まれたポッツ人形と 一緒に!!

造形を体で覚えて行って欲しい

 今、少し年齢の高い子どもたち用のおもちゃも増やし行く予定。なかなか試行錯誤らしいが、現在はE-Blockという名前で木のダボでジョイントさせる木のブロックがある。
 そのジョイント部分をビニールパイプにしたものを試作中。「これだと、小さなダボを飲み込む危険はなくなるでしょう…。勿論、このビニールパイプは食品衛生法に合格したものですよ。」

 「今の子どもたちは“マニュアル世代”といわれています。ブロックで遊ぶことによって、模型ではない造形を体で覚えて行くんだと思います。物づくりというのは、創意工夫です!!小さい頃から、創造する遊びをして育って欲しいですね。」

 積み木で立体に組み立てるのは、造形の最初の一歩。工夫することが“柔らか頭”を育てることになるそうだ。


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