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ぐるり街めぐり > 都市景観を歩いて実感 夙川べりを南から北へ

更新日:2007/05/10
「西宮まちなみ発見クラブ」第4回セミナー同行記。都市景観を歩いて実感。昔の地図を片手に、夙川べりを南から北へ

 「西宮まちなみ発見クラブ」という集まりがある。なんだか楽しいことが起こりそうな名前につられ、同行取材をさせていただいた。阪神香枦園駅に集合し、中央図書館辺りまで下って翠橋を渡り、その後阪急夙川駅の南にある夙川公民館までを1時間ほどかけて資料を片手に歩いた。

地図を片手に夙川歩き  北は甲陽園線と交差する辺りから香枦園浜まで、約4キロある夙川河川敷緑地(夙川公園)は昭和12年に5年計画で整備された。元々、堤防を守るための松が植えられており、地域の住民が「受益者負担」という考え方の基に寄付金を出しての事業だったと聞く。
 今では樹齢100年を超える松も含め、約1,400本が川のほとりを気高く美しく縁取っている。「日本の歴史公園100選」にも選定された市民の誇りとも言える夙川河川敷緑地は、まちの景観を大切に思う地域の人たちが守り育ててきたのだということに思いを馳せながら歩いてみよう。

 香枦園駅を出て、阪神高速の下をくぐり南側に出ると公園の遊歩道の幅が広い。この辺りは都市計画道路を廃止したからこれだけの幅の公園が確保されているらしい。
 それよりはるか以前、日露戦争時代に「ここは、公園でなく軍隊が行進できる道路だ。」と大社村と西宮村がここの緑を守ったという歴史的な背景もあるようだ。こうして西宮を代表する大切な環境が今に残されている。

上流の銀水橋から浜夙川橋まで、夙川には17の橋がかかっている。葭原橋、翠橋、御添橋、こほろぎ橋など、公園整備の時にかけられた7つの橋のうち今も残っている橋がある。

 そんな説明を聞きながら歩くと、酒蔵通りの「新翠橋」のすぐ南に公園整備の時にかけられたという古い7つの橋の一つの「翠橋」がある。

 公園からはずれ、酒蔵通りを少し西に歩いた。香枦園小学校の東側の道路までぐらいが、かろうじて夙川公園を感じる地域だといえる気がする。
 この辺りは、昔から大きなお屋敷が多かったところだが、やはり代替わりの時に敷地はだんだん細かくなる。大きなお屋敷の緑が、頑張って地域の景観を守っていたんだということに気づかされる。普通に暮らしている私たちの住宅の佇まいが街並みに大きく影響しているということを学んだ。
 どんどん変っていく景色の中で、小さな路地が昔の面影を忍ばせているところもある。「発展に取り残されたところが、今は環境を守るための貴重な場所になっているんですよね…」という参加者の方の言葉が印象に残った。

 香枦園駅は、阪神の高架事業に伴って駅舎も新しくなった。現在の駅は古い駅舎の面影を残していて「近畿の駅100選」にも選ばれている。夙川の上に架かっている駅は、バルコニーもあり夙川の景色をゆったりと眺められるビューポイントにもなっている。
 駅の北側に戻ってくると、公園の堤防の幅がぐんと狭くなる。やはりその影響か、横の住宅が感じられるような気がする。
 夙川には、飛び石で作った橋がたくさん設置されていて、水との距離感を縮めてくれている。これからの季節には子どもの姿が多くなることだろう。

まちなみ発見クラブ
回り道しながらまちなみを発見する。「大人の遠足」みたいで楽しい
 国道2号線を越えるころには、行きかう人が増えることもあるのだろうが、もっと生活感が感じられるようになってくる。公園の緑の幅も影響しているような気もした。
 当日もらった資料には、大正12年・昭和27年・平成17年の地図があったが、昭和27年の地図の2号線は路面電車の線路が入っている。ここを電車が通っていたんだと思いながら2号線に架かっている橋を見た。そう思ってゆっくり見ると、昔の橋は存在感が感じられる。

夙川に泳ぐこいのぼり
夙川駅南側で見つけた鯉のぼり。子どもたちと街の成長を願って元気に泳いでいた
 ゴールの夙川公民館までの道のりを急ごう。JRの線路の南側には地元で大切に祭られているお地蔵さんやお不動さんがある。先人が守った緑を、こうした地域の人が今も守って下さっているのだと感謝しながら前を通りぬけた。

 公民館の前の片鉾橋の南に、こいのぼりが泳いでいた。きっとこれも地域活動をされている方々の取り組みなのだろう。地域の環境は地域の住民で守る…鯉のぼりやお地蔵さんが教えてくれているように思った。

 ほんの数週間前、圧倒的な桜並木であったところが、今は目にもまぶしいグリーンのベルトになっている。
 「桜の夙川公園」で有名だが、桜の時期だけではもったいないと思った。クロマツ・くすのき・モミジ・トチの木など、たくさんの種類の木々の織りなす緑が輝いていた。
 小さい子供の手を引いて歩くには絶好の場所。小さいときの豊かな思い出は、きっと西宮大好き人間に育ってくれるだろう。

公民館でワークショップ。緑の大切さを再確認

 今日の参加者は19名。4つの班に分かれて歩いた後、グループごとにその日撮った写真をプリントアウトした物も使って、それぞれの思いを発表しまとめるというワークショップが開かれた。
 参加者の方々の意識の高さもあって、それぞれの班で市民としての目で夙川に寄せる思いがまとめられていた。「物言わぬ木を守るのが人間の役目」「物言う木々の声を聞こう」反対のことを言っているようだが、住民が声を上げて環境を守ろうという心は一つだった。
グリーンタウン屋上から見る夙川駅北側
夙川グリーンタウンの屋上から、今回歩かなかった駅北側を望む
【みんなで出し合ったスローガン】
・物言わぬ緑を守るシンボル夙川公園
・緑の言葉を理解しよう
・夙川の緑は先人の住民力
・植物のコンサートホール夙川
・木を育むことは心を育むこと
・海と山を結ぶ夙川
 〜マイパークロード、マイパークエリヤ
・水と緑のオアシス、市民のやすらぎ!
・川の歴史と共に、縦から横への拡がりを!

あなたなら、どんなスローガンを考えますか? 夙川を歩いて考えてみませんか

(取材:JUN)


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